酔眼読書漂流記

読んだ本の紹介と感想などを、酒を片手にゴソゴソと綴っております

旅に出るゴトゴト揺られて本と酒/椎名誠

もともとは2001年に本の雑誌社から『日焼け読書の旅かばん』というタイトルで出版されたもの。『本の雑誌』の連載をまとめたものですね。それが筑摩書房より改題され文庫化となりました。ちなみに、椎名さんの筑摩書房からの本はこれが初めてとのことです。ちょっと意外。

前半は、エッセイ。おなじみの椎名的日常が綴られています。キャンプの話から、野球の話あり、料理の話もありの多種多様。何でもない話、と言ってしまえばそれまでですが、肩肘張らずに読める椎名さんのエッセイは最高の暇つぶしになります。疲れた頭をリフレッシュ。

後半は椎名さんオススメのブックガイドです。好きな本の傾向というのは人それで面白いものです。本棚を見ればその人がわかる、なんてことも言いますしね。椎名さんのお好きなジャンルというと、ちょっと変わった旅の本、漂流サバイバル*1、ひとつのものにこだわった大全ものといったところになりますか。

ここで紹介されている本は、かなりマニアックな品揃えなっています。普段聞いたこともないような出版社の本とか。それだけに、とても蠱惑的で興味が湧いてきます。その中でも旅の本は魅力的。旅行じゃなくて、あくまで「旅」ですね。身体ひとつで行き当たりばったり、予期せぬ出来事に悪戦苦闘、ちっとも予定調和じゃない旅というのは読んでいて面白い。まさに事実は小説より奇なり。気取った言い方をすれば、人生の縮図です。そういう旅って、ある意味憧れの裏返しなんでしょうね。自分じゃ、できれば体験したくはないけど、共有したい。「怪しい探検隊」で椎名ファンになった私には、興味のない人から見たらバカみたいなことが何より愉しいのです。

しかしです。今現在絶版になっている本の多いこと。このリストのほとんどが手に入れることが出来ない*2。十年以上も経つと、本も寿命がきてしまうってことでしょうか。こんな点で電子書籍は、絶版という状態になりづらいということで、いいのかもしれないですね。

ひとつ興味深かったのは、この中で『日本のオートバイの歴史』という本を挙げてらっしゃること。オートバイに興味がお有りだったんですね。今まで知らなかった。

旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒 (ちくま文庫)

旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒 (ちくま文庫)

*1:これも変わった旅の本とも言えるかも

*2:そんなことで、ブックガイドとしてはちょっとアヤシイです