酔眼読書漂流記

読んだ本の紹介と感想などを、酒を片手にゴソゴソと綴っております

三つの棺/ジョン・ディクスン・カー

やはりカーは凄い、と思わせるのに十分な一作。トリックに対するパワーが圧倒的。たとえ少々強引な力技でも、不可能状況を成立させてしまうのはお見事というしかない。ミステリ好きにはたまらない、読んでワクワクさせてくれる。

本作には密室からの人間消失と、そだけでも歯ごたえ十分なのにもうひとつ不可能状況を用意してくれている。二人の人間がほぼ同時刻に別の場所で撃たれるのだが、その凶器は同じ銃なのだ。しかも、通りの真ん中での犯行にも関わらず目撃証言は犯人の声だけで、その姿を見ていない!

この謎に対するフェル博士の推理はお見事。判ってしまえば至極簡単なことなのだ。逆にだからこそ凄い凄い。もっと凄いのは、真相がわかって改めて読み返してみれば、実は最初からはっきりと答えが書かれていたんだよね、ってとこ。あー、感動の嵐。 もう一度言おう、やっぱカーは凄いわ。

史上名高い〈密室講義〉もこれに収録されてます。 未読の人には一読の価値あり。